被積分関数の形によっては一時的に複素数にすると便利だったりするかも。例えば以下のような場合。 $\displaystyle \int_0^L dx e^{-kx}\sin \frac{\pi x}{L} $ 正統的な方法としては部分積分だろうなと思うけど、一時的に複素数にすることで次のように計算できる。 $\displaystyle \int_0^L dx e^{-kx}\sin \frac{\pi x}{L}=\text{Re}\int_0^L dx e^{-kx}e^{i\frac{\pi x}{L}}=\text{Re}\frac{1}{-k+i\frac{\pi}{L}}\left[-e^{-kL}-1\right]=-\frac{k}{k^2+\frac{\pi^2}{L^2}}\left[1+e^{-kL}\right]$
520びぼーろく; ガウスの数学日記その二
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ブログの投稿件数とタイトルの数字が一致せず不思議に思っていたら投稿の番号に重複があることが判明。しかも何件もあった。数が数えられないことが証明されてしまいちょっと悲しい。
さて、ガウスの数学日記その第二段「素数の平方剰余は自分自身以下のあらゆる数ではありえない」
だけどどうやらこれはガウスの書き間違いらしく、もっと簡単なものだったと書いてあった。(本当かどうか知らないけど)
正しく(?)は「素数は自分自身以下のあらゆる数の平方剰余ではありえない」らしい。
$p=7$ として、 $7$ 以下の数について考えると
\[1^2=1,2^2=4,3^2=2,4^2=2,5^2=4,6^2=1,7^2=0\]
なので非剰余になっているということかな?
一般的に考えてみると、素数 $p$ 以下の数は「① $p$ より小さい素数」か、②「 $p$ を含まない素数の積(合成数)」二パターン。
で、①を考えてみると、平方剰余があったとすると、素数 $p'<p$ として適当な自然数 $m<p$ について
\[p'^2=mp\]
が成立する。ところが $m$ も $p$ 未満の素数の合成数のはずなので、上の等式は素数 $p'$ が約数 $p$ を持つことになるので明らかにおかしい。
②の場合について考えてみると、$p$以下の数$n$は$p$より小さい素数の合成数となるので$p_1,p_2\cdots$を$p$より小さい素数として書けば$n=(p_1)^{i_1}(p_2)^{i_2}\cdots$の様に書ける。同様に平方剰余があるとすると
\[(p_1)^{2i_1}(p_2)^{2i_2}\cdots=mp\]
が成立する。先ほどと同様に$m$も$p$未満の素数の合成数なので両辺を割ることで$p$が別の素数の積で与えられることになる。よって両方の場合とも平方剰余になることはないことが分かる。
言われてみれば、ある素数未満の数はその素数を約数として持たないので平方剰余になることは決して無いってことなのかな。そう考えてみると当たり前な気もする。
でも果たしてガウスはこんな簡単なことを言いたかったのだろうか。それともここには何か深遠な真理が含まれているのか...。謎だ。
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